結論:理不尽もパワハラも込みで「読み込める」土田世紀作品

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結論から言うと、「編集王」は理不尽な人間関係やパワハラ的なやり取りが容赦なく描かれながらも、読み手をぐいぐい引き込んでくる土田世紀ならではの一作だ。筆者はこの作品に5段階中4という高い評価をつけている。「理不尽とパワハラ満載の土田漫画。読み込める」という一言が示すとおり、決して読みやすいだけの作品ではないが、その分だけページをめくる手が止まらなくなるタイプの熱量を持っている。1994年に連載が始まり、全13巻で完結済みという読み切りやすいボリュームも、これから手に取ろうか迷っている人には安心材料になるはずだ。すでに完結している作品なので、続きが気になって落ち着かないという心配をせずに、最初から最後まで腰を据えて読み進められるのも「編集王」の大きな魅力の一つだと言える。

「編集王」はどんな作品か

「編集王」は土田世紀による青年漫画で、小学館のビッグコミックスピリッツで1994年から連載された。単行本は全13巻で、すでに完結済みの作品となっている。読者層としては青年向けに位置づけられており、作品には「成長」「熱い」「友情」というタグが付けられている。これらのタグからも、登場人物たちがぶつかり合いながら前に進んでいく熱量のある物語であることがうかがえる。土田世紀作品らしく、業界の理不尽さやパワハラ的とも言える人間関係の描写がありながらも、それを通じて登場人物が成長していく骨太なドラマが持ち味だと言える。ビッグコミックスピリッツという青年誌で連載されていたことも、こうした容赦のない人間ドラマを描くうえで大きく関係していると考えられる。1994年という連載開始時期を踏まえても、青年誌らしい骨太な作風が色濃く反映された作品だと言える。

良かった点

筆者が最も評価しているのは、「読み込める」と言い切れるだけの読み応えだ。理不尽な出来事やパワハラまがいの言動が次々と描かれるにもかかわらず、物語から目が離せなくなる牽引力がある。これは単に不快な描写を並べているのではなく、そこから登場人物たちの「成長」や「友情」といったタグが示す要素がしっかり織り込まれているからこそだと感じる。全13巻という尺の中で熱量が途切れず、最後まで一気に読み進められる構成になっている点も、評価4という高得点につながっている理由だろう。「熱い」というタグが示すとおり、読んでいて感情を揺さぶられる場面が多いことも、この作品を語るうえで欠かせないポイントだと筆者は感じている。全13巻を通して土田世紀らしい熱量が保たれている点も、読み終えたあとに強く印象に残る理由の一つだと筆者は考えている。

気になる点

一方で、「理不尽とパワハラ満載」という一言評価が示すとおり、読んでいて気持ちよくなるだけの作品ではない点は先に伝えておきたい。人間関係の描写がストレートで容赦がないぶん、そうした展開が苦手な読者には刺さりにくい場面もあるかもしれない。筆者自身は最後まで完結済みとして読了しており、途中で読むのをやめるようなことはなかったが、理不尽な展開の連続に読み進めるエネルギーを要する作品であることは念頭に置いておいたほうがいいだろう。軽い気持ちでさらっと読めるタイプの作品ではなく、ある程度腰を据えて向き合う必要がある点も、あらかじめ知っておくと安心して読み始められるはずだ。

こんな人におすすめ

「成長」「熱い」「友情」といった要素が詰まった青年漫画を求めている人には特におすすめできる一作だ。理不尽さやパワハラ的な人間関係の描写を含めて、業界ものらしいリアルな熱量を味わいたい読者や、読み応えのある物語にじっくり向き合いたい読者にも向いている。全13巻で完結済みのため、これから一気読みしたいという人にもちょうどいいボリュームだと言える。逆に、読んでいて終始爽快な気分になりたい人よりも、多少の理不尽さやしんどさを含めて物語の熱量を受け止めたい人にこそフィットする作品だと筆者は考えている。評価4という高い点数も踏まえると、青年漫画の中でも特に読み応えを重視したい人に自信を持ってすすめられる一冊だ。

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「編集王」と同じく80〜90年代の青年誌らしい等身大のドラマを味わえる作品として、響堂新による「軽井沢シンドローム」を挙げておきたい。単行本は全15巻で、こちらも完結済みの作品だ。同時代の青年誌ならではの空気感を持つ作品として、「編集王」を読み終えた人が次に手を取る一冊として合わせて紹介しておく。理不尽さや成長の物語に引き込まれた人であれば、続けて読みたい一冊として自然に手が伸びるはずだ。