結論:絵の第一印象を超えて楽しめる奥深い世界観が魅力(評価3.5)

イムリ

三宅乱丈 ・ 全18巻 ・ 完結

3.5

絵が見づらく見えるけど美しい、世界観が奥深い。

1,600冊読破の筆者に、あなた好みの1冊を教えてもらいませんか?

あなたに合う1冊を診断してもらう

三宅乱丈による「イムリ」は、筆者の評価で5点満点中3.5点となった作品だ。一言で表すなら「絵が見づらく見えるけど美しい、世界観が奥深い」というのが率直な感想である。独特な線の描き方には最初戸惑うかもしれないが、その画面づくりこそがこの作品ならではの世界観を支えている要素だと筆者は感じている。ファンタジー・群像劇・伏線回収というタグが示す通り、複数の要素が丁寧に絡み合いながら物語が進んでいくタイプの漫画で、読み進めるほどに味わいが増していく作品だ。KADOKAWAのハルタで長期連載され、全18巻という規模でしっかり完結している点も、この作品の奥深さを裏付けている。

「イムリ」はどんな作品か

「イムリ」は三宅乱丈による作品で、KADOKAWAが発行するハルタにて2006年から連載がスタートした。青年向けに分類される作品で、最終的に全18巻というボリュームで完結済みとなっている。ジャンルとしてはファンタジー・群像劇・伏線回収という3つのタグが付けられており、この組み合わせからも分かるように、単一の主人公を追うだけでなく複数の登場人物の視点を通して物語全体の世界観が立体的に描かれていく構成になっている。物語全体に張り巡らされた伏線が後の巻数で回収されていくという構成は、長期連載作品ならではの読み応えを生み出している要素だといえるだろう。2006年の連載開始から現在に至るまで完結済みとして読み切れる状態にあるのは、これから読み始める読者にとって大きな安心材料になる。

良かった点

筆者が「イムリ」を読んでいて最も強く感じたのは、世界観の奥深さだ。一言評価にもある通り「世界観が奥深い」という部分はこの作品の核であり、群像劇というタグが示す通り複数の視点から物語が描かれることによって、世界そのものの厚みや説得力が増していく構成になっている。加えて伏線回収というタグからも分かるように、序盤に張られた要素が後になって意味を持ってくる作りは、読み返したときに新しい発見がある魅力を持っている。絵柄の独特さについても、読み進めて慣れてくるとむしろ世界観の美しさとして感じられるようになってくる点は、筆者としても評価したいポイントだ。ファンタジーというジャンルの中でも、世界の仕組みそのものを丁寧に描き込んでいくタイプの作品を求めている読者には、特に刺さる内容になっている。

気になる点

一方で、一言評価にもある通り「絵が見づらく見える」という点は、人によっては最初のハードルになり得る要素だ。線の描き方や画面構成が独特なため、読み始めの数話は絵柄に慣れるまでに時間がかかる読者もいるだろう。筆者の評価が5点満点中3.5点にとどまっているのも、この取っつきにくさが少なからず影響している面はあるかもしれない。群像劇として複数の視点が展開されていく構成も、慣れないうちは人物関係を把握するのに労力がいる部分だと感じる。世界観の奥深さをしっかり味わえるようになるまでには、多少の慣れと読み進める根気が必要な作品だといえるだろう。

こんな人におすすめ

群像劇という形式で複数の視点から丁寧に世界が描かれていく作品を読みたい人、そして伏線が後々きれいに回収されていくタイプの物語をじっくり楽しみたい人には、「イムリ」は特におすすめできる一作だ。独特な絵柄についても、それ自体を世界観の一部として楽しめるタイプの読者であれば、むしろ魅力として受け止められるはずだ。全18巻という完結済みのボリュームを腰を据えて読み進められる時間がある人にとっては、読み終えたときの満足度が高い作品になるだろう。

合わせて読みたい

「イムリ」の伏線回収型ファンタジーという魅力に近い作品として、以下を紹介する。

1. 王様ランキング

十日草輔による「王様ランキング」は完結済みの作品で、緻密な世界観と伏線回収のファンタジーという点において「イムリ」に近い読み味を持つ。群像劇的な広がりを感じさせる世界観の中で、丁寧に張られた伏線が回収されていく構成をじっくり楽しみたいという人には、「イムリ」と合わせてこちらもぜひ読んでみてほしい一作だ。