結論:評価5、幸村誠が描く骨太な歴史群像劇
「アメリゴベスプッチの前にアメリカ大陸に行ったノルウェーの人たちの話。ワールドカップのノルウェー戦の観客を見て、なんとなくわかった」
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あなたに合う1冊を診断してもらう幸村誠による「ヴィンランド・サガ」は、筆者の評価で満点の5をつけている作品だ。筆者にとってのこの作品の面白さは、アメリゴ・ヴェスプッチよりも前にアメリカ大陸へ渡ったノルウェーの人々を描いた物語である、という理解にある。実際、ワールドカップのノルウェー戦の観客席を見ていて、その感覚が何となく腑に落ちたという実体験があるという。歴史上あまり語られてこなかった人々の営みを、群像劇として描き出す力強さが、この作品の核にあると言えるだろう。現在も連載中で、筆者自身も今なお読み続けている一作だ。
「ヴィンランド・サガ」はどんな作品か
「ヴィンランド・サガ」は幸村誠が手がけ、講談社の月刊アフタヌーンで連載されている青年漫画である。連載開始は2005年で、長期にわたって描き継がれてきた歴史群像劇だ。作品につけられたタグは「群像劇」「成長」「復讐」「歴史」の4つで、これらのキーワードから作品全体の方向性がうかがえる。単一の主人公の視点だけでなく、複数の人物の営みが絡み合いながら物語が進んでいく構成であり、そこに歴史的な背景と、登場人物たちの成長や復讐といったテーマが重なり合っているのが特徴と言える。現在も連載が続いており、巻数はまだ確定していない、成長を続けている作品でもある。
良かった点
筆者が特に良いと感じているのは、単なる史実の再現に留まらない解釈の面白さだ。アメリゴ・ヴェスプッチより前にアメリカ大陸に渡ったノルウェーの人々の話、という筆者なりの捉え方が示すように、この作品は歴史の「その先」や「裏側」にいた人々に光を当てている感覚がある。加えて、ワールドカップの試合中継でノルウェーの観客席を目にした際に、その理解が実感を伴って腑に落ちたというエピソードは、フィクションと現実の歴史・文化がふとした瞬間につながる面白さを物語っている。「群像劇」「成長」「復讐」「歴史」というタグが示す通り、多面的なテーマを一つの物語の中で描き切ろうとする構成力も評価できる点だ。評価5という点数は、こうした要素が積み重なった結果と言えるだろう。
気になる点
筆者はこの作品を現在も読み続けている最中であり、途中で読むのをやめたということはない。ただし、連載中で巻数が今なお確定していない作品であるため、これから読み始める人にとっては「どこまで刊行されているか」「読み終えるまでにどれだけかかるか」が分かりにくい点は留意しておきたい。長期連載かつ群像劇的な構成であることから、登場人物や時系列の情報量も少なくないと想像され、腰を据えて読み進める必要がある作品と言えそうだ。
こんな人におすすめ
「群像劇」「成長」「復讐」「歴史」というタグに惹かれる人には、まず手に取ってほしい一作だ。特に、教科書的な歴史の語られ方とは違う角度から、名もなき人々の物語に触れてみたい人に向いている。筆者自身、評価5をつけているように、歴史ものの群像劇としての完成度の高さを実感しながら読み進めている。長期連載を腰を据えて読みたい人、時事的な出来事(例えばスポーツの国際試合など)とフィクションがふとつながる瞬間を楽しめる人にも、きっと刺さる作品だろう。
合わせて読みたい
「ヴィンランド・サガ」と合わせて読みたい作品として、以下を紹介する。
1. キングダム
「成りあがり歴史漫画。もちろん中心線以外は史実にはない」
「キングダム」は原泰久による作品で、現在も連載が続いている。筆者はこの作品に評価3.5をつけており、一言で表すなら「成りあがり歴史漫画。もちろん中心線以外は史実にはない」という理解だ。歴史を舞台にした群像戦記ものという点で「ヴィンランド・サガ」と共通しており、この点が今回のおすすめ理由になっている。史実をベースにしながらも、中心となる物語の筋以外はフィクションとして描かれているという捉え方は、「ヴィンランド・サガ」における筆者なりの歴史解釈とも通じるものがあり、歴史群像劇というジャンルを別の角度からも楽しみたい人に向いている一作だ。