「復讐」は漫画の中でも読者の感情を強く揺さぶるテーマの一つだ。奪われたものを取り戻すための戦い、失った者への想い、そして復讐の先にあるものは何か。ここでは復讐という要素を軸に持つ漫画の中から、評価の高い8作品を紹介する。歴史ものからファンタジー、ミステリー、サイコスリラーまでジャンルはさまざまだが、どの作品も復讐という感情の深さを描いている点は共通している。

1. ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ

幸村誠 ・ 連載中

5.0

アメリゴベスプッチの前にアメリカ大陸に行ったノルウェーの人たちの話。ワールドカップのノルウェー戦の観客を見て、なんとなくわかった

2005年連載開始、幸村誠による歴史漫画。群像劇・成長・歴史のタグに加えて復讐も重要なテーマで、筆者の評価は5。アメリゴ・ベスプッチより前にアメリカ大陸へ渡ったノルウェーの人々を描く物語で、サッカーW杯のノルウェー戦を見てなんとなく背景が腑に落ちたという読書体験がある。連載中で、群像劇の厚みの中に復讐という感情が丁寧に織り込まれている一作だ。

2. 北斗の拳

1983年開始、原作は武論尊、作画は原哲夫による全27巻の完結済み作品。バトル・主人公最強・熱いといったタグに復讐も加わり、筆者の評価は5と最高評価。謎が謎を呼ぶハードボイルド漫画で、結局全てが謎のまま突き進むような読み味だという。主人公最強の熱いバトルの根底に復讐という動機が流れている点が、本作を語る上で欠かせない要素になっている。

3. イサック

イサック

原作:真刈信二 作画:DOUBLE-S ・ 完結

4.0

火縄銃みたいなのを取り合う話だけど、そもそも火縄銃は南蛮生まれ?でもとてもマインドフルネスな話

2013年開始、原作は真刈信二、作画はDOUBLE-Sによる完結済みの歴史漫画。バトル・歴史のタグに復讐が加わり、筆者の評価は4。火縄銃のようなものを取り合う話でありながら、そもそも火縄銃自体が南蛮生まれではという視点も入り、意外にもマインドフルネスな読後感があるという。歴史を舞台にした復讐劇として、じっくり読ませる一作になっている。

4. ゴブリンスレイヤー

ゴブリンスレイヤー

原作:蝸牛くも キャラクター原案:神奈月昇 作画:黒瀬浩介 ・ 連載中

4.0

ゴブリン専門の戦士の話。過去のトラウマからゴブリン専門になるも、少しずつゴブリン退治以外にも人間的なことに喜び幸せを感じるようになっていく

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2016年開始、原作は蝸牛くも、キャラクター原案は神奈月昇、作画は黒瀬浩介による連載中のファンタジー漫画。バトル・ファンタジー・鬱といったタグに復讐も重なり、筆者の評価は4。過去のトラウマからゴブリン専門の戦士になった主人公が、ゴブリン退治だけでなく少しずつ人間的な喜びや幸せを感じていく様子が描かれ、復讐だけでは終わらない成長物語になっている。

5. 盾の勇者の成り上がり

原作はアネコユサギ、作画は藍屋球による連載中の異世界漫画。バトル・異世界・主人公最強・成り上がりに復讐も加わるタグ構成で、筆者の評価は4。結局のところ攻撃力も高く、人当たりの良い昔ながらの勇者らしさも感じられるという。理不尽な扱いを受けた過去から成り上がっていく展開の中に、復讐という感情がにじむ作品だ。

6. 蒼天の拳

2001年開始、原作は武論尊、作画は原哲夫による完結済み作品。バトル・主人公最強・熱いに復讐も加わるタグ構成で、筆者の評価は4。ハードボイルドで良い意味で適当系の漫画だという評だが、熱いバトルと主人公最強の展開の根底には、前作にも通じる復讐という感情の流れがしっかりと息づいている。前作からの熱量を受け継ぐ復讐譚としても読める作品だ。

7. 憂国のモリアーティ

憂国のモリアーティ

原作:竹内良輔 作画:三好智樹 ・ 完結

4.0

伏線に伏線を重ねて伏線見たいなミステリー系のシャーロックホームズのスピンオフ的な漫画

2016年開始、原作は竹内良輔、作画は三好智樹による完結済みのミステリー漫画。頭脳戦・伏線回収に復讐も重なるタグ構成で、筆者の評価は4。伏線に伏線を重ねていくシャーロック・ホームズのスピンオフ的な作品で、頭脳戦の緊張感と伏線回収の快感の裏側に、復讐という動機がじっくりと据えられている点が読みどころだという。

8. チェンジザワールド―今日から殺人鬼―

チェンジザワールド―今日から殺人鬼―

3.5

サイコスリラー系漫画。この手のパターンか的な感じ

ホラー・胸糞に復讐が重なるタグ構成のサイコスリラー系漫画で、筆者の評価は3.5。読み進めるうちに「この手のパターンか」と感じる場面もあるというが、それも含めてジャンルらしい様式美と言える。復讐という感情がホラーテイストの中でどう描かれるのかを味わいたい人に向いている一作だ。作者名や巻数といった詳しい情報がはっきりしない点も含めて、静かに語り継がれている作品と言えそうだ。

まとめ

「復讐」というテーマ一つとっても、その描かれ方は作品ごとに大きく異なる。歴史の中でじっくり育まれる復讐もあれば、ハードボイルドに突き進むもの、頭脳戦として展開するもの、ホラーの色を帯びるものまでさまざまだ。ここで紹介した8作品を手がかりに、自分の気分に合った復讐の物語を探してみてほしい。